シキ=フロスト詳細設定(KOC用)

1.名前 シキ=フロスト
2.種族 闇天
3.性別 男性
4.外見年齢 24くらい。
5.ルーツまたは職業 傭兵
6.髪型、色 水色のツンツンした中途半端な長さの短髪。
7.肌の色 白め~ふつう。
8.目の色、形 深い青で切れ長のぱっちりした二重。
9.性格、雰囲気 常に冷めている。無口で戦い以外には無関心。
10.服装 黒か紺色の重鎧・額当て、マントを羽織る時もある。
11.身長、体格 182cmくらい。剣士としては細身。しかしきちんと無駄なく筋肉はついている。
12.他の外見的特徴 闇天使だけど人間耳。具現自在な闇色の翼あり。
13.参考画像:http://hb7.seikyou.ne.jp/home/K-Miyuki/home/K-Miyuki/yoroisiki.jpg
14.自宅:プラティセルバ/地下都市ミント/エリア1/No.1(http://www.if-kingdom.com/02-4.htm?state=17&town=7&area=1&number=1)





《蒼黒の魔剣士》


力を求めた果てに人である事さえ捨て去り
最後に一体何を掴みたいが故に、
俺はオレの全てを犠牲にし、ソレと引き換えるのだろうか。

初めから既にあやふやであった記憶と想い
今や何を求め進んだのかさえ、思い出せずにいる。


唯一覚えているのは、“彼”との出会いだ。





生まれ故郷の全てが凍てついた氷の大陸。
戦乱の中、町を失い、家族を失い、傷を負い。
先日まで確かに町であった瓦礫まじりの雪原に横り、月明かりの中死の瞬間を待っていた子供のオレ。






白銀の世界に突如舞い降りた黒い影。

僕を迎えに来た死神なのかとぼんやり思った。

銀色の髪に紅い瞳
黒い衣を纏って月の光を従えるかのように突如現れた。
冴えた月のような人。

戦争で感情をほぼ失った僕から見ても

この世のモノとは思えぬ程
人という生き物の枠を超えて彼は美しかった。

「私と取引をしよう。」

何故僕と?

想いは言葉にならなくて、ただ彼から視線を逸らせず見つめていた。



「話すのも辛いか?」



そんな僕を見て、声さえ既に出す事が出来ないと思ったのだろうか。

確かに声が出るかも分からないくらいの状態。
でも彼の問に答えたくて、精一杯失いかけた最後の力で

「少し話すくらいなら」

と僕が答えたのを見て
彼はうっすらと微笑を浮かべ頷き、言葉を紡ぎはじめた。

彼はこの世界から旅立つのだと言った。
そしてもう戻る事もないのだと。

何も残さず去るハズだったけれど、僕が生きたいと言うのなら
彼のこの世界で生きた記憶と死にかけた身体を癒せ、一人で生きて行くには余る程の力をくれると言う。

ただ、引き継ぐ事で“僕”と言う人間はどうなるかは、保証出来ないとも最後に付け加えて

「記憶まで与えたくはないが、力と分離出来ない・・・・私の力不足だ、すまない。」

彼は悲しげにそう呟いたけど、なぜ謝る必要があるのだろう?
見ず知らずの僕にここまでしてくれるだけで、戦争と言う地獄を見て壊れた僕の心は十分救われたのに。

僕は生きたい、まだ見ぬ世界を見てみたい。
それに“彼の記憶”なら、望んで引き継ぎたいと思う。

未来の僕が僕でなくなったとしても、今の僕は彼がいなけれ死ぬのを待つだけ
生き長らえたとしても既に天涯孤独な身。

だから、後悔することなんて何もないよ。

そう伝えたかったけれど、今の僕にはあと1言伝えられるかどうか

言葉に出来ない分、最後の力を振り絞って笑顔を作り

「よろこんで」

と伝えたところで僕の記憶はブラックアウトした。

その後、彼がこの世界を離れた事しか分からない。
だけど記憶を貰った事でこの世界での彼を知る事が出来た。

彼の名前は「士貴」
異世界の孤高なる黒き竜




そして、人ならぬ力を受け取った代償なのか
過去、俺の身体にも確かに流れていた赤い血は青く染まり。

オレでは受け入れ切れなかったのか
記憶が混迷し、時折、途切れ空白の時が訪れる。

正気の時間と狂った時間が交差する


己が何をしていたのかも分からず
その手に、剣に浴びた返り血を見ても
恐怖も苦痛も感じない、何も思わない。



人を捨てた時から、徐々に浸った黒き力の世界。
代償として失ったモノを何の為に埋めるのかも分からずに

俺はまだ見ぬ“強き者”を求めて今日も戦場を渡り歩く。

敵味方なく、手ごたえのある者と戦うということで唯一感じる事のできる

“死線を味わう高揚感、浴びる返り血の温かさ。”

その“生きている実感”の為だけに。


魔剣、アイスファルシオン。

共に累々たる屍を築き
幾千もの血吸いて尚も、蒼く美しく透き通る氷の魔剣よ。



新たなる“強き者”の温かき血を求め、また旅立とうか・・・・





“漆黒の死神”“氷の狂戦士”“蒼黒の魔剣士”


突如戦場に現われ敵味方問わず屍の山を築き去っていく彼に対し、人々はそう呼び名を付け恐れた。


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